Book

なぜ眠るのか

眠りにまさる「癒し」はこの世に存在しない。睡眠はどんなに無理をしてでも、どんなに危険を冒してでも進化の過程で省くことのできなかった非常に重要な機能であり、脳の機能を支えるために必須の機能なのである。 脳を成長させ、有効に使うために鍵となるの…

人権について

すべての国の憲法で保障されている基本的人権は、「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」であり、そうした努力の記録が人権宣言(権利宣言)である。 世界各国の人権宣言は、決して互いに無関係に作られたものではなく、それぞれ先人の努力の成果を基礎…

貧乏とは何か

貧困は経済問題であり、貧乏は心理問題である。日本で社会問題になっているのは、貧困ではなく貧乏である。戦後日本は「貧困」から脱して豊かになったけれど、「貧乏人」はむしろ増えた。それは豊かさに差が生じたからである。貧富に限らず誰でも他人の所有…

若い読者へのアドバイス

傾注(attention)すること。注意を向ける、それがすべての核心です。人の生き方はその人の心の傾注(attention)がいかに形成され、また歪められてきたかの軌跡です。 引用:Amehare's quotesスーザン・ソンタグ『良心の領界』 スーザン・ソンタグ(Susan S…

教養とは何か?

「教養」というのは、「生」の知識や情報のことではない。そうではなくて、知識や情報を整序したり、統御したり、操作したりする「仕方」のことである。もっと正確に言えば「教養」とは「自分が何を知らないかについて知っている」、すなわち「自分の無知に…

あきらめない心

人はどうしても失ったものの大きさに目を奪われて、まだ手元にどれだけ多くの可能性が残っているのかを忘れてしまう。 大胡田 誠(おおごた まこと)著書:全盲の僕が弁護士になった理由 あげられるもの、あげられないもの 僕は、全盲で司法試験に合格した日…

好きなことをやりなさい

自分の好きなことをやるにしても、やはり、なまけていてはダメで、やるからには、なんでも、ねばり強く、努力することが必要であろう。 水木しげる(Shigeru Mizuki)著書:ほんまにオレはアホやろか発行:1978年9月 ぼくは小さなころから、妖怪っていうのは…

宇宙からの眼差しを持て

ひょっとすると、今の人類は、進化の方向を間違えてしまったのではないか、もっと地球の声に耳を傾けるべきだと思うのです。 手塚治虫(OSAMU TEZUKA)著書:ガラスの地球を救え発行:1996年9月20日引用:1989年4月 カッパ・ホームス ハード / ガラスの地球…

職業は武装解除

人生を自分の手で変えられる「自由に行動できる権利」その権利は、世界の誰もが持っているものではない。誰かのためにではなく、自分が生きる社会の行く末を自らが選びとっていく。 瀬谷ルミ子 著書:職業は武装解除 発行 2011年9月30日 私は34歳、職業は武…

司馬遼太郎への手紙

「異胎の時代」の日本人が何を考え、どうふるまったのかについて、もし物語として書き残しておいてくださったら、あるいは日本の思想状況は今とは違ったものになっていたかもしれない。 引用:司馬遼太郎への手紙内田樹 司馬遼太郎さま はじめまして、内田樹…

歴史はたえず書き換えられる

歴史を学ぶことで、私たちはどこから来たのかがわかります。その知見をもとに、どこへ行くべきなのかを探るのです。 池上彰(Ikegami Akira)著書:大人の教養 発行 2014年4月10日第六章(引用 / 超訳) 歴史について話します。 歴史は、時代によって書き換…

夢より今を大事に生きる

夢なんてかなえなくても、この世に生まれて、生きて、死んでいくだけで、人生は大成功だ。 北野武著書:新しい道徳引用:BLOGOS 今の社会は、夢を持てとか、自分らしさを生かせとか、やたらとそういうことを子どもたちに強調する。道徳の授業もそうらしい。 …

刺激と反応の間

刺激と反応の間にはスペースがあり、そのスペースをどう活かすかが重要である。 著者:スティーブン・R・コヴィー 著書:The 7 Habits of Highly Effective People(7つの習慣) 訳者:川西茂 ここで、私自身の個人的な体験を紹介したい。数年前、私はまだ大…

ヒトにのこる進化の足跡

比較解剖学では脊椎動物の進化の分岐点にいる動物、つまりヒトの直系の祖先に近い種類ととくに重視する。しかし傍系のものも直系を理解するうえで欠かせない。とりわけ哺乳類は霊長類以外のものでもヒトを理解するうえで重要である。「クジラ山に登らなけれ…

病気の意味と薬の起源

病気には、ウイルスや細菌の感染による感染症、遺伝子が原因となる遺伝病、環境の変化によって起こる文明病などがある。 病気だと思っているさまざまな疾病や疾患といった症状のうち、あるものは身体を守るための大切な防御反応であり、またあるものは人間が…

20万年の人口変遷史

人口の変化を一義的に決めるのは出生と死亡です。出生がとくに強くかかわっています。出生と死亡の原パターン、人口爆発の遠因になるヒトの生きる力。現生人類の20万年の人口変遷から現在の異常状態を俯瞰的に把握する。 参考文献:ヒトはこうして増えてきた…

特異性と多様性

ヒトの分布圏は、極北から熱帯、森林から乾燥地、さらに低地から高山まで、地球上のあらゆる地域、多様な環境の中に棲み、身体的に多くの地理的多様性をもつ動物界の中でも特異な種である。 しかし、遺伝子の総体はヒトがアフリカから世界中に拡がり始めた5…

原始の感覚

狩猟採集は、人類史のなかで最も古く長い生活様式で人類の歴史の99%を占める生活様式です。狩猟採集民時代に作られた遺伝的傾向は、「倹約遺伝子型」と呼ばれています。高度文明への急激な変化の結果、人体の共生系を破壊している。 参考文献:人間性はどこ…

サルからのヒト

ヒトの行動は長い進化の産物であり、それこそ生命の起源に近い時代からもち続けている遺産もあれば、爬虫類時代の遺産もあり、類人猿時代の遺産もある。そして最終的に獲得したのは狩猟採集民時代の適応である。 ヒトに共通な心理や行動の特徴は、長い進化の…

生きることの意味

人間は限られた時間、限られた空間のうちに封じ込められ、一度壊れたら二度と旧に復することがなく、一度失ったら二度と出会えないものに囲まれている。「すべては消滅し、私は必ず死ぬ」という事実そのものが実は人間の幸福を基礎づけているのである。 今こ…

いちばん大切なもの

人間はただ命が助かって寿命が延びただけでは、生きているとは言えません。生きがいがなければ生きる気力が湧いてこない。限られた命、限られた余生をいかに満足し充実した時間として送っていただくかを検討することが、大きな役目である。どんなに病み、老…