How To Become A Hacker

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ハッカーって何?

Jargon File には「ハッカー(hacker)」という言葉の定義が山ほどあがっています。そのほとんどは、技術的な熟達や。問題解決、限界を克服することといったような話と関係した内容です。でもハッカーになる方法を知りたいなら、ホントに関係ある定義は2つしかありません。

熟練プログラマやネットワークの天才たちのコミュニティないしは共有文化というものが存在しています。その歴史は初期のタイム・シェアリング・ミニコンピュータや黎明期の ARPAnet の実験にまで遡ることができます。この文化に属する人々が「ハッカー hacker」という言葉をうみだしました。ハッカーたちはインターネットを築きました。ハッカーたちが UNIX オペレーティングシステムを今日のような形にまで作りあげました。ハッカーたちが Usenet を運営し、World Wide Web が使えるようにしたんです。あなたがこの文化の一員で、それに貢献し、その文化のほかの人たちがあなたを知っていて、しかもその人たちがあなたをハッカーと呼んでくれるなら、あなたはハッカーです。

引用 How To Become A Hacker
著者 Eric S. Raymond
翻訳 山形浩生/村川泰/Takachin

ハッカー的心構え

ハッカーは問題を解決し、物事を築きます。そして自由と自発的な助け合いを信条としています。ハッカーとして受け入れられるには、こういう姿勢態度を持つようなふるまいが必要です。そしてこの姿勢を持つかのようにふるまうには、本当にその心構えを信じるしかありません。

でも、ハッカー文化に受け入れられたいがためにハッカーらしい心構えを身につける気なら、それは勘違い。ハッカーの心構えを本当に信じるているような人になるのは、あなた自身にとって大切なことなんです!学ぶのに役立ち、その意欲を持続させてくれるんです。すべての創造的な芸術と同様、熟達者になる最高の方法は熟達者の精神をまねることです。知識面だけでなく、感情的な面も含め。

1. この世界は解決を待っている魅力的な問題でいっぱいだ

ハッカーであることはとてもおもしろいのですが、そのためには相当な努力が必要です。その努力をするには意欲が必要です。優秀な陸上選手は、自分の肉体的な限界を越えて体を機能させるという肉体的な喜びが意欲の源です。同様に、ハッカーになるためには自分の技術をみがき、知性を働かす訓練して、問題を解決することにゾクゾクするような喜びを感じるようでなければいけません。

あなたが生まれつきこのように感じないなら、ハッカーになるにはまずそのような人にならなくてはいけません。さもないとハッキングへの意欲が、セックスやお金や社会的な名声のようなつまらないことに惑わされてしまうでしょうから。

(自分の学習能力に対する信頼も育てましょう。たとえ今の段階では大きな問題を解決するのに必要なすべてを知らなくても、その問題のほんの一部から取りかかって、そこから新しい事を学び取れば、次の部分の解決に十分なだけ学べて、そして次へ次へと進めば、いずれ大きな問題全体が解決できると信じましょう)。

2. 同じ問題を二度解くような無駄はいやだ

クリエイティブな人材は貴重な限られた資源です。世の中にはたくさんの魅力的な新しい問題が解決を待っているんだから、車輪を発明しなおすような無駄なことをしてはいけません。

ハッカーらしくふるまうには、他のハッカーたちが考える時間は貴重であると信じなければなりません。それをとことん信じて、情報を共有するのがほとんど道徳的な義務であると思えるようになりましょう。問題を解決し、その解答を提供すれば、他のハッカーたちは古い問題にいつまでも取り組みなおし続けずに、新しい問題を解決できるのです。

(作ったものをすべて無償で提供する義務があると思いこむ必要はありません。でもそうするハッカーが、他のハッカーたちから最高の尊敬を受けるのは確かですが。食費と家賃とコンピュータ代をまかなうのに必要なだけ自分の作品を売り込んでも、ハッカーの価値観と矛盾しません。ハッキングしている間、自分がハッカーであることを忘れない限り、家族を支えたり、あるいは金持ちになるためにであっても、ハッキングの技術を使うことはハッカーの価値観と矛盾しません。)

3. 退屈と単純作業は悪

ハッカーたち(そして一般的にクリエイティブな人たち)は、退屈したり、くだらない反復作業をいやいやこなしたりする必要はないはずです。だってそういうときには、彼らしかできないこと、つまり新しい問題を解決するということが行われていないことになるからです。こういう無駄は万人にとって有害です。だから退屈と単純作業はつまらないだけでなく、本当に悪いことなのです。

ハッカーらしくふるまうには、これを徹底的に信じ込んで、自分自身のためばかりでなく他のみんな(とりわけ他のハッカーたち)のためにも、退屈な部分はできるだけたくさん自動化してしまいたくなるようにしましょう。

(これには明らかな例外が一つあります。ハッカーたちは時々気持ちの切替えのために、あるいは技術を習得するため、またほかの手段では出来ない特別な経験を積むために、端からは反復ばかりで退屈に見えるようなことをします。しかしこれは好きでやっているのです!思考能力のある人なら、決して退屈を強制されるべきではありません)。

4. 自由は善

ハッカーたちは本来的に反権威主義です。あなたに命令できる人は、何かあなたが興味を持っている問題を解決するのを止めさせてしまえますしかも、権威主義的な頭の特徴として、そのやめさせる理由もあきれるくらいくだらないものであるのが普通です。だから権威主義的態度に出会ったら、必ず戦わないといけないのです。そうしないとあなたや他のハッカーたちが窒息させられてしまいます。

(だからといってすべての権威と戦えということではありません。子どもには指導がいるし、犯罪者は拘束されるべきです。ハッカーは、命令に従うための時間以上にほしい何かを手にいれるためなら、ある種の権威を認めることに同意することもあるでしょう。しかし、それには制限のついた意識的な取引です。権威主義者が求める個人的な降伏などは提供しないのです)。

権威主義者は検閲と秘密が大好きです。さらに自発的な協力や情報共有を信用しません。彼らは自分たちが管理できる「協力」だけを好みます。だから、ハッカーらしく行動するためには、検閲や秘密、そして責任ある大人に無理強いするような圧力やごまかしの使用に対し、本能的に敵意を感じるようにしなくてはなりません。そしてこの信念を実行に移す用意が必要なのです。

5. 心構えは技能の代用にはならない

ハッカーになるには、上記の心構えをある程度身につけなければなりません。しかしスポーツのチャンピオンやロックのスターになろうとしたら、心構えだけではどうしようもないでしょう。同じように、心構えだけでハッカーになれるわけではありません。ハッカーになるには知性、実行力、献身、そして大きな努力が必要です。

、姿勢や態度は信用せずに、あらゆる技能を尊重することを学びましょう。ハッカーは、ハッカーもどきの相手をして時間を無駄にしたりはしませんが、技能には頭を垂れます。なかでもとりわけハッキング技能を崇拝しますが、その他どんな技能でもいいのです。ごく少数の人しか身につけられない、ハードルの高い技能は特によいもので、精神的な正確さ、技巧、集中力を必要とするハードルの高い技能での技能は最高です。

技能がすばらしいものだと思える人なら、自分の技能をみがくのも楽しめるでしょう。そのための大きな努力や献身も、単調な骨折り仕事ではなく、一種のもっと強烈な遊びになるでしょう。そしてハッカーになるには、この態度が不可欠なのです。